Ⅰ.放射線治療とは

放射線治療は、がん治療において手術、化学療法(抗がん剤による治療)と並ぶ3本柱のひとつです。大きな特徴として、がんを切らずに治すことで臓器の機能や形態を温存することが期待できます。また、放射線治療はそれらを組み合わせた集学的治療の一環として、他の治療法と併用されることがあります。
がんの種類や進行状況により必要となる放射線治療回数は異なりますが、1回の治療時間は約10分程度と短く、1回1回の治療による苦痛も少なく、日々の治療による負担は少ないと思われます。そのため、高齢者や、手術や化学療法に耐えられない方でも治癒を目指すことができます。
近年の放射線照射技術の進歩により、従来よりも副作用をさらに軽減し、治療効果を高めることが可能となってきています。

Ⅱ.診療科の特徴・特色

当科では、できるだけ少ない副作用で十分な治療効果を得るため、専門的な知識と経験をもつスタッフが綿密に協議し、安全かつ精度の高い放射線治療を提供することを念頭に日々診療しています。科内カンファレンスに加え、担当診療科との連携を重視し、院内合同カンファレンスを定期的に行っており最適な治療方針を決定しています。

Ⅲ.対象疾患:全身の悪性腫瘍と一部の良性疾患

1. がんの治癒を目指す照射…脳腫瘍、頭頚部がん、肺がん、食道がん、膵臓がん、直腸/肛門がん、子宮がん、前立腺がん、膀胱癌、血液腫瘍(悪性リンパ腫) など
2. 術後の再発予防のための照射…乳がん、脳腫瘍、頭頚部がん、子宮がん、前立腺がん、膀胱がん、骨軟部腫瘍など
3. がんの痛みや症状を緩和するための照射…脳転移、骨転移、リンパ節転移など
4. 良性疾患への照射…甲状腺眼症、ケロイド、血管腫など

Ⅳ.診療内容

3次元原体照射(3D-CRT)をすべての症例の用いている他、特殊治療として、少数個の肺転移や脳転移に対しては、短期間かつ高線量のピンポイント照射が可能な定位照射(SBRT, SRT)を、前立腺がんや頭頚部がんに対しては、周囲の正常臓器の線量を低減し、かつ病変部への線量増加が期待できる強度変調放射線治療(IMRT)など、画像誘導を用いた高精度放射線治療を積極的に取り入れています。
また、子宮がんや前立腺がんに対する小線源治療、骨髄移植前の全身照射など各種の放射線治療も行っています。

Ⅴ.主な医療機器

  • 放射線治療装置
    リニアック(直線加速器)     2台  Synergy, Versa HD (ELEKTA社)
    高線量率腔内照射装置(RALS) 1台
    前立腺組織内照射システム     1台
  •  放射線治療計画装置
    治療計画用CT         1台
    計画用コンピューター     4台

Ⅵ.診療実績(2017年)

治療実人数(新患+再患)849症例
・特殊治療
体幹部(肺)定位放射線治療(SBRT):早期肺がん、肺転移17症例
定位放射線治療(SRT):脳転移, 頭蓋底腫瘍 他22症例
強度変調放射線治療(IMRT):前立腺がん, 頭頚部がん 他86症例
小線源永久刺入療法;前立腺がん
腔内照射(RALS):子宮がん
全身照射(TBI):骨髄移植前処置

 

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